この記事は、ツールを使用せず「デフォルトで衣装を着た状態→衣装を脱いだ状態」にする着せ替えアニメーションの設定方法について書いています。
最近のアバターってどんどん進化していて、デフォルトでエクスプレッションメニューからいろんな着せ替えができるようになってきました。
個人が買える値段でたくさんのメニューやシェイプキーが入っているアバターがたくさん販売されているのはありがたい限りです…♡
私はアバターにいろんな衣装を着せて、鏡の前で可愛くなった自分を見るのが大好きなのでいろんな衣装を着せてきました。ひとつのアバターに衣装や小物を何着か入れて出し入れできるようにUnityで設定をしています。(容量が重くなるので入れすぎ注意)
自力でアニメーションの設定ができなかったので、ツールを使用してアバターの着せ替え設定をしていましたが、ツールを使うと作者さんが設定してくれた既存の着せ替えアニメーションと干渉してしまうのか、うまく着せ替えができないことが多々あります。(私のやり方が悪いだけかも)
そういうときはせっかく作者さんが設定してくれたメニューやらFXの値をすべて削除してから、ツールを使って再設定を行うほかありません…😭。
本当は削除したくないけど破綻しちゃうから泣く泣く削除するしかない…
ツールは便利ですが、論理を理解していないとマニュアル通りの操作しかできず、応用が利かない(´;ω;`)
せっかくなら既存の着せ替え設定はそのままに、追加で自分の着せ替え設定も入れていきたい!といと思い、やっと重い腰をあげてツールを使わない着せ替えの方法を自分なりに習得したので共有します。
必要なファイルの複製をする
着せ替えアニメーションを設定する際に必要になる部分が【FX】と【VRCExpressionsMenu】と【VRCexpressionParameter】です。中身をいじっていくので万が一の事故に備えて複製をします。
FXのウィンドウをクリックするとFXのファイルにとぶことができるので、ファイルにとんでください。
該当FXをクリックした状態で「Ctrl+D」で複製をすることができます。
複製したFXに分かりやすいよう名前を「Kaihen_〇〇_FX.controller」などに変更し、インスペクターのFXウィンドウにドラッグ&ドロップします。
同じことを【VRCExpressionsMenu】と【VRCexpressionParameter】でも行い、複製をしてください。
事故ってファイルが壊れちゃうとヤバいから改変用のファイルを編集していこう!
【FX】アニメーションを設定するためのレイヤー
【VRCExpressionsMenu】VRChatでR長押しで出てくるトグルメニュー
【VRCexpressionParameter】トグルメニューで任意の項目を表示させるためのパラメータ
着せ替えアニメーションを作成する
実は、アニメーションを再生することで着せ替えの表現を演出している!
着せ替えのアニメーションを作成します。
Asetts内のどこかで右クリック→Create→Animationをクリック
新規のアニメーションファイルができるので、分かりやすい名前に変更してください。私は「KisekaeAll」という名前にしました。
このままだと作成したアニメーションファイルはどこにも所属していない野良アニメーションなので、アバターに入れ込んで再生ができる状態にします。
実際にUnity上で動きを確認しながらアニメーションを組むために必要な作業です!
①インスペクターの【Controllerウィンドウ】に先ほど複製をした「Kaihen_〇〇_FX.controller」をドラッグ&ドロップ。
②新規作成したアニメーションファイル「KisekaeAll」をヒエラルキーにあるアバターにドラッグ&ドロップ。
これで、Controllerに「Kaihen_〇〇_FX.controller」が入っている際はUnity上でアニメーション再生ができるようになりました!
さっそく着せ替えアニメーションを組んでいきます。アニメーションを組むウィンドウが表示されていない場合は、上部のメニュー→Window→Animation→Animationをクリックして表示させてください。
ヒエラルキーでアバター選択をした状態で、Animetionウィンドウの上記プルダウンメニューを開くと先ほど作成した新規アニメーションがあるはずなのでクリック。
Add Propertyを開くと、アバターのボーンとメッシュが出てくるので、今回オンオフをさせたい衣装のメッシュを開き、【In Active】の右側の【+】をクリック!
オンオフさせる衣装が追加されるので☑を外す。
チェックを外すことで、衣装のオンオフのスイッチを押したときにデフォルトの服を着ている状態→服を脱いだ状態に切り替えられます。
追加する衣装を間違えてしまった場合は右の方にある♢のマークから「Remove Property」を押すと消すことができます。
次に、アニメーションの値を見ていくと【1:00】のところに値が勝手に入ってしまっているのが見えると思います。こちらは必要がないため、♢の上で右クリック→Delete Keyで値を削除。ここに値が入ったままだと、衣装オフにしても、一瞬衣装が脱げたかと思いきやまたすぐに着た状態へと戻ってしまいます。
これで着せ替えのためのアニメーションは完成❣
FXにアニメーション設定を行う
アニメーションを作っただけではアバターに組み込まれていないので当然動きません。FXにアバターに先ほど作成したアニメーションを組み込む作業を行っていきます。
FXはアニメーションの再生に関する設定を行う場所のことだよ!
「Kaihen_〇〇.FX」をダブルクリックして開きます。
①まずは【Layers】に【+】ボタンから新規レイヤーの追加。
②【New Layer】ができるので、分かりやすい名前に変更。
私はアニメーションと同じ「KisekaeAll」という名前にしました。
特にこだわりがないのであれば、今後付けていく名称はすべて統一したほうが分かりやすいです。
③右側にある歯車マークを押して、Weightを1に変更。
次に【Parameters】の設定を行います。
【+】→Boolを選択すると【New Bool】が出てくるので先ほど作成したレイヤーと同じ名前に変更してください。
再び【Layers】の設定に戻ります!(行ったり来たりしてごめんなさい💦)
「KisekaeAll」を選択し、画像の場所で右クリックをしてCreate State→Emptyを選択で新しいアニメーションクリップを作成。
何も入っていないオレンジ色の空のクリップが出てくるので、選択をしてから右のインスペクターで名称を「Idle」に変更します。
「Idle」はアバターに何も変化がない通常状態を表す言葉。ここでの名称は実は何でもいいのですが、「Idle」が業界用語っぽいので「Idle」とつけました。
先ほどと同じように、右クリック→Create State→Emptyで空のクリップをもう一つ作成します。
同じように空のグレーのクリップを選択し、インスペクターから名称の変更を行います。
着せ替えをオフにするときの動きに関係しているので「KisekaeAllOff」としました。
【Motion】には一番最初に作成した着せ替えアニメーションを入れてください。
(ドラッグ&ドロップか、右の◎の部分をクリックすると選択ができます)
作成したクリップ同士を遷移でつないで、オンオフの切り替えができるようにします。
何も入っていないクリップと着せ替えOFFアニメーションが入ったクリップをつなげることで、VRChat上で着せ替えのONOFF切り替えをすることができる!
オレンジのクリップの上で右クリック→Make Trastionをクリック。矢印が出てくるので、グレーの「KisekaeAllOff」と繋げます。
同じようにグレーのクリップの上で右クリック→Make Trastionをクリック。矢印が出てくるので、オレンジの「Idle」と繋げてください。
遷移をクリックし、インスペクターからクリップの詳細設定を行います。
①遷移をクリック
②インスペクター内、【Has Exit Time】のチェックを外す。
③真ん中の棒グラフのようなところにある青色の◀を真ん中まで引っ張って画像のようにします。
④【Conditions】で【+】を押して条件を追加。プルダウンから作成したパラメーターの数値を選択します。Idle→KisekaeAllOffの場合は【True】を選択。
KisekaeAllOff→Idleの遷移にも同じように設定を行います。【Condtions】の値はKisekaeAllOff→Idleの場合は【false】を選択してください。
最後にLayersのAllParts(アバターによって名称は違うかもしれないけど、一番上にあるやつ)の中を見ると、今回作成したクリップが勝手に入ってしまっているので、削除してください。
多分勝手に入らないやり方があるんだろうけど、私の手順だとどうしても入ってしまう…ごめんなさい!
パラメータとメニューの設定
先ほど設定をしたFXの内容をVRChatに反映させるための設定をおこなっていきます。
パラメータの設定
まず、一番最初に複製した【VRCexpressionParameter】を編集します。ダブルクリックでファイルを開いてください。
複製した【VRCexpressionParameter】がどこにあるか分からなくなってしまった場合はアバターのインスペクターのParametersウィンドウをクリックすると該当のファイルに飛びます。
①空欄にパラメーターで設定したのと同じ名前を入力。
②Typeで【Bool】を選択。
メニューの設定
複製した【VRCExpressionsMenu】をダブルクリックでひらいて、今まで作成した諸々の設定をメニューにセットしていきます。
①【Name】:分かりやすい名前に変更する。
②【Type】:Toggleを選択
③【Parameter】:作成したパラメータを選択
ここでつけた名前が、実際にVRChat上で着せ替えをオンオフするとき使用するトグルメニューに反映されるよ。使いやすい名前を付けよう!
これで着せ替えの設定は終了です!お疲れさまでした。
VRChatで着せ替えのオンオフが正常に作動するか確認し、終了です!
応用について
記事内では、すでに着ている衣装をオフにする方法でご紹介しましたが、衣装や小物を表示させるアニメーションを作成し同じようにFXの設定を行うことで、何もないデフォルト状態→衣装を着た状態にすることもできます。
また、作者さんが設定してくれたFX内のアニメーションだけ差し替えたり、追加することで既存の設定を活かした着せ替え改変も可能です。
応用したアニメーション設定の記事も書きたいと思っているのですが、この記事を書くので力尽きたのでしばらく書かないと思います。いつか書きます。
アニメーションの組み方次第で様々な表現ができるので色々試して理想のアバターを作ってください!
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改変作業で疲れた目を癒す逸品です。
アイマスクを使って寝るようになったら、VRChatを始めてから目の酷使をしすぎでできたクマがなくなりました◝(⑅• ᴗ •⑅)◜..°♡
こちらの記事のおかげで服の着せ替えがうまくできるようになりました!!!!
ありがとうございます!!!!
なかなか思うようにうまく動かなくて…大変助かりましたm(__)m
記事を参考にしていただきありがとうございます!
お役に立てて嬉しいです♪
とある有名ツールを試したもののうまく動かず…こちらの懇切丁寧な解説で一つ一つ真似をしていったら大分理解が深まりました!お陰様でサブメニューへの落とし方も自力で辿り着きました。仰る通り仕組みを理解すれば応用に繋がりますね。ありがとうございました。
暫くは開きっぱなしで参考にさせて頂きます。
記事を参考にしていただきありがとうございます!